落下物事故とは


(2018年12月24日追加)

 成田空港が昭和53年に開港してから2年ぐらい経って空港周辺で氷の塊の落下が確認されました。空港南側の飛行コース直下にある、山武郡松尾町長谷の田んぼに重さ5キログラムもあろうかと言う青色の氷塊が落下したのです。氷塊の落ちた数メートル先にはおばあさんが歩いていました。

 ちょうどその時、上空を成田空港に着陸する航空機が通過していきました。青い色は飛行機のトイレに流れる水の色です。

 氷塊が落ちた乾いた堆肥には氷塊が溶けてしまっても、落ちたことを示す窪みが残っていました。

 これ以後、空港周辺で航空機からの落下物が大問題になりました。ビニールハウスに穴を開けたり、トタン屋根を打ち抜いたり、瓦を割ったりと事故は続きました。

 部品の落下もありました。しかし、成田空港周辺は農村地帯です。発見される落下物は氷山の一角と考えなければいけません。氷塊は溶ければなくなってしまいますし、部品でも山林に落ちれば発見されることは少ないと考えられます。従って、実際の飛行機からの落下物はこの何倍にも(もしかすれば10倍以上)達するものと考えられます。

 2015年までに分かっているだけでその数約160件です。詳しくは下の表を見てください。

 住民の抗議に慌てた運輸省と空港公団は本会の指摘(昭和55年9月24日)もうけて、着陸するときは太平洋上で脚下げを行わせるなどの対策をとりました。これは、落下物事故のほとんどが着陸時に起きていることから、脚下げのショックで機体に着いた氷がはがれ落ちると考えられたからです。また、部品の落下を防ぐために、各航空会社に整備の徹底を要望したりしました。

 しかし、落下物事故はなくなりません。そこで、落下物による事故や器物の破損が起こり、原因となる航空機が特定されない場合に備えて(素人考えでは上空を通過した航空機は管制記録ではっきりしているので、すぐ特定できると思うのですが)、各航空会社が出資する保険制度を創設しました。しかし、最近の事例でも半年も経ってから、やっと、補償金が支払われると言う始末です。

 しかし、不思議なのはこのような落下物事故の話は他空港ではあまり聞かれないのに、何故、成田空港だけに多数発生するのかということです。

 下表は成田国際空港株式会社(NAA)が発表している落下物の数になります。

開港以来の落下物事故件数    

年度
1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997
件数
 
4
6
9
8
9
9
3
6
3
19
17
6
3
4
1
3
3
3
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
3
5
3
3
3
2
0
2
2
1
2
3
2
2
0
3
1
5
 0
2(17)
0
   成田国際空港株式会社(NAA)資料より 2017年度のカッコ内は脱落事案も含む、2018年度は「成田空港その役割と現状」から

 そこで、最近のマスコミ報道で、確認できた事例を下表にまとめてみました。ただし、成田国際空港株式会社(NAA)がこれらの事故を「落下物事故」と認めるかどうかは分かりません。また、この他にもマスコミには取り上げられなかった事故がある可能性もあります。

最近の落下物・部品脱落事故   

事例
2015
1
16発表
2015年1月15日 芝山町境 氷塊 屋根瓦3枚破損
4
15
キャセイ機が5Kgのバネ脱落 発見されず
9
2発表
2015年8月21日 山武市 ゴム製部品 600g 
12
17発表
2015年8月下旬〜9月上旬 成田市荒海 ゴム製部品
12
24発表
 時期不明 成田市西和泉 金属製部品 
2016
2
5発表
2016年2月3日 芝山町(B滑走路直下) 氷塊
2
24発表
23日午後4時15分頃、 成田市荒海の道路上に砕けた氷塊見つかる約120g
2017
6
6
成田市西大須賀の民家の屋根に氷塊が落下、屋根瓦を破損
7
18
デルタ航空機が離陸時に滑走路上にパネル落すも、そのまま米国へ
落下時期不明
8月23日成田市荒海の民家住民が気付く、屋根瓦3枚が破損、国土や NAA は「航空機からの落下物かどうかは分からない」としている
9
7
全日空機が約2Kgのパネルを落とす、27日に稲敷市の会社敷地で発見
9
8
7日と同一機体の、修理したパネルが脱落、空港内では発見されず
9
27
バニラ・エア機が主翼付け根の着陸灯カバーを脱落、空港内では発見されず
10
7
ポーラエアカーゴ機が部品を脱落、空港内では発見されず
11
7
大韓航空機から主翼ゴム部品落下、空港内では発見されず
11
25
アメリカン航空機から主翼ゴム部品落下、空港内では発見されず
12
29
キャセイ航空機の左主翼からゴム部品落下、空港内では発見されず
12
30
アメリカン航空機の左主翼からゴム部品落下、空港内では発見されず
2018
1
16
アメリカン航空機の左主脚から鉄製バネが落下、空港内では発見されず
1
20
ユナイテッド航空機の右主脚から鉄製バネが落下、空港内では発見されず
落下時期不明
3月4日、成田市西大須賀の山林で、旅客機のアンテナが見つかる、航空機は16日現在特定出来ず
3
16
日本貨物航空機の第1エンジンからパネル1枚落下、空港内では発見されず
3
18
日本貨物航空機の第1エンジンからパネルの一部が剥がれ落ちる、ネジ1本脱落、空港内では発見されず
4
6
全日空機の主脚タイヤ1本の表面ゴムが約4m剥がれ落ちる、空港内では発見されず
4
22
日本航空機のエンジンパネル1枚が脱落、空港内では発見されず
4
25
日本航空機の車輪格納部のパネル1枚脱落、空港内では発見されず
4
29
フェデラルエクスプレス機の左主翼下部のプレート1枚が脱落、空港内では発見されず
7
22
ポーラエアカーゴ機のエンジンカバーパネル1枚脱落、空港内では発見されず
8
16
アメリカン航空機の胴体パネル脱落、空港内では発見されず
9
24
日本航空機のライトカバーが脱落、空港内では発見されず
11
7
大韓航空機の主翼ゴム部品が脱落、空港内では発見されず
12
2
ジェットスター・J 機のフラップからスクリューとナットが脱落、空港内では発見されず
12
13
日本貨物航空機から主翼のゴム製品とネジ1本が脱落、空港内では発見されず
12
22
フェデラルエクスプレス機から前脚ライトカバーが破損、カバーの約半分が脱落、空港内では発見されず



ホームに戻る