
この旅行の目的の一つは、本場のイタリア料理を味わうことでした。3度ほど中華料理を食べた以外は、リストランテ、トラットリア、ピッツェリア、カフェテリア、カフェ、バールそしてテイクアウトまで、2週間、昼・夕といろんな場所でイタリア料理を食べつづけました。しかし意外にもまったく飽きることがありませんでした。
それはわが家でも時々イタリア料理を食べていて、味に親しみがあったからかもしれませんが、イタリアでの食事の仕方の要領がだんだん分かってきて、大体思うようなものが気楽に食べれたということも大きいと思います。
メニューには困らなかった
私が初めてイタリアへ行ったのは27年前のことですが、食事をするとき何を注文してよいやらとても困った経験があります。ですから今回もその辺が心配でした。
しかし最近は日本でもすっかり”イタメシ”が普及して、私たち(とくに妻の方ですが)のイタリア料理に関する知識も増えています。また昔と違って、今回行ったレストランでは,観光地ということもありましょうがほとんど英語のメニューがありました。さらに日本語のメニューのあるところもいくつかありました。
ですから、注文するときもおおよそどのような料理かの見当はつきました。思いがけないものが出ててきたということはまずありませんでした。
しかし英語のメニューでも、料理や食材の単語はむずかしく、よく分からないものもたくさんあります。一度だけヴェネチアの小さなレストランで、迷ったあげく店主にお勧めの料理を聞いたことがあります。そして出てきた料理を見ると、それはなんとシャコ(蝦蛄)でした。このときだけは驚きましたが、思わぬ好物に喜んで舌鼓を打ちました。
ということでいろいろな料理を試してみましたが、行く前から楽しみにしていたスカンピ(手長えび)とちょうど旬のポルティーニなどの茸類とが、やはり日本ではなかなか味わえない美味でした。
「メタ、メタ」と「ポコ、ポコ」
イタリアでの食事のもう一つの心配事が、”ヴォリューム”でした。何しろイタリア人に比べれば少食な日本人の中でもとくに少食な熟年の私たちです。
ところが、旅行前にネットサーフィンでいろいろ情報を集めているときに、いい言葉を見付けました。「メタ、メタ」(meta,meta)と「ポコ、ポコ」(poco,poco)です。前者は「半々」、後者は「少しづつ」という意味だそうです。そこで早速この呪文を使うことにしました。
料理を一皿づつ注文して、二人のときは「メタ、メタ」、嫁が加わって三人のときは「ポコ、ポコ」と唱えますと、どこでも一発で通じました。ホテルのレストランでは、サイドワゴンでちゃんと皿に盛り分けて、出してくれました。もっともネクタイを締めないと入れないような高級レストランには行っていませんので、そういう所でも通用するかどうかは分かりませんが・・・(どなたかお金と勇気のある方はお試しください)。
お蔭で食いしん坊の私たちは、いろいろな料理を胃袋に合った量だけ食べることができました。もちろんお値段も、ガイドブックなどの標準よりずっと安くて済みました。
気軽に飲めるハウスワイン
イタリア料理とくれば、いうまでもなくワインを欠かすことはできません。私たち夫婦はワインが大好きですが、量は飲めません。食事のときは、二人でフルボトルの半分が適量です。それにワインについのウンチクも皆無です。ワインリストを見ても、分かるのは赤か白かと、値段だけです。ですから、海外へ行ってももっぱら「ハウスワイン」専門です。
ハウスワインはイタリア語で、”vino della casa”といいます。それに白(bianco)か赤(rosso)を付け加えて、もっぱらオーダーしました。量については、フルボトルだけという場合もありましたが、たいていカラフェに入れて出てきます。大(grande)が1リットル、小(piccolo)が1/2リットルという場合が多かったようです。二人だけのときはもっぱら「piccolo」でした。
ハウスワインはいうなれば地酒です。その土地、その土地で地元の人に好まれるものが出てきます。フィレンツェで白を頼んだら、赤のキャンティしか置いてありませんでした。そしてさすがはワインの国、どこのハウスワインもなかなかいけるものでした。
こうして、ボトル1本では多すぎるし、どんな銘柄を選べばいいか分からないし、といった心配はまったく杞憂でした。日本のレストランでワインを飲むとなると、何かちょっと改まった感じがするものですが、イタリアではまったく気軽に飲めます。値段も何しろ日本の恐らく半分以下という安さです。

ヴェネチア・ブラーノ島のレストラン"Tratt
da Romano"にて
ここでもスカンピがおいしかった
各ホテルのページで、ご参考までに「近くのレストラン」もご紹介しています。私たちが実際に食べた料理とそのときの費用も載せていますので、ご覧ください。